消費者負担にならないように・・・ 製造現場としてできること

本日より、消費税が5%から8%になりますね。益々、消費者にとってキツイ状況になること間違いありません。
また、当業界においても白生地の利用用途が着物であることから当然安い買い物ではないわけで、益々着物離れが進んでしまうのではないかと心配もしております。

ただ、製造側も仕入れ絹糸の値上がりもあり、製造コストの上昇は抑える事ができません。ここで安く品質の悪い糸に流れると品質低下を伴い、かえって今まで培ってきた五泉の伝統を汚してしまいます。もちろん、安くて良い糸があればそれが良いのですが・・

製造現場である我々は、品質を維持・向上しつつ、出来る限りのコスト削減を行い少しでも製品の価格に転嫁しないよう努力します。

 

今回は一例のご紹介。
織物を作る工程で、五泉の伝統技法である「濡れ緯」を使って織ったりする場合、織った白生地(生機状態)を巻いていきます。この巻く際に、織物が濡れているため、間に紙を挟んでいくのですが、この紙は何回か再利用しています。織り終わったら紙だけ抜き取り、乾燥させ、一疋(一反)ごとにカットした紙を糊でつなぎ合わせ、また使えるようにローラで巻いてきます。地道な作業です。一番下の画像の巻いている機械はこのために手作りしたもの。昔からエコに取り組み、少しでも経費削減に取り組んで参りました。もちろん人件費の方が高いのでは?とも思いますが、現在は少し手の開いた人が誰でもするという感じで特別この作業に人や時間を割り当ててはいません。
これは一例ですが、これからはもっとこういう取り組みをしていかなければならないと感じています。
消費者負担にならないよう、我々にできるちょっとしたカイゼンを心がけていきたいと思います。

一番上の画像は「塩瀬」を「濡れ緯」を使って織り上げています
下は、紙を抜き取り乾燥させる工程

当社自作の紙を巻き取る機械。プリンタの給紙のようなもの。紙を糊でつなぎ合わせ、再利用できるよう巻き取っていきます。

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ABOUTこの記事をかいた人

横野弘征

㈱横正機業場(YOKOSHO)専務取締役。新潟県五泉市で絹織物白生地製造を行っています。2013年に36歳でシステムエンジニアから兄と共に家業を継承するため転職。『伝統継承と革新への挑戦』がテーマ。製品(素材)の素晴らしさはもちろん、「100年企業」として培ってきた歴史を支えた職人さんこそが最大の商品として魅力を発信していきます。経済産業省認定 ITストラテジスト取得。