「白を贈る文化」 新潟市文化財 旧小澤家住宅にて開催します!!

初めての展示会をさせて頂くことになりました!
・ご縁 新潟市文化財の旧小澤家住宅
・染め 植物染め浜五(Shall we senka?パートナーである
・織り 横正機業場
の共同主催になります。
会期:3月14日(土)~3月22日(日) 月曜定休
会場:新潟市文化財 旧小澤家住宅

タイトルは「白を贈る文化」
今回、この3社で共同で開催させて頂くのには訳(御縁)があります。

小澤家の蔵にひっそりと眠っていた贈答品の白生地。
いつのものかは正確には分かりません。
眠りをさまし、これを今に生かしたい、と小澤家は考え
植物染め浜五の星名さんに声をかけます。

浜五は、その話を受け小澤家に伺いました。
そこで蔵に残っていた白生地をみて驚くことに!
白生地のひとつに横正機業場のものがあると気がついたからです。

なぜ、驚いたか?
それは、数週間前に浜五と横正が出会ったばかりだったから。
実は、横正は新しい開発中の素材の染色試験にと、浜五を訪ねていたのです。
まさに時を同じくしたから気づいたこと、運命的に糸が紡がれたようなものと感じます。

残っていた白生地は、箱に納められ、紅白の水引がかけられていました。
白い生地になぜ紅白の水引なの?疑問がおきます。
色々と聞いたり、調べたりすると、キモノが日常着だったころには、
結納の品や、贈答品として、あたりまえのように白生地を贈っていた、ということです。
つまり、キモノを仕立てる為に必ず使うもの=喜ばれるもの(もらって絶対に困らないもの)だったんですね。
そして、白にも意味があり、「まっさらなな状態=スタートを表す」「相手の色に染まります」「自由に染めてください」
などなど、縁談を喜ぶ気持ちを表したりしていたようです。
十分に調べられていませんが、結納時の帯料、小袖料といったものも生地がお金に変わっていった名残のようです。

・・・恥ずかしながら、まったく知りませんでした。

浜五と横正機業場はこの頂いた御縁を大切にし、
このような「白を贈る文化」があったことを大切にしたいと意気投合し、
縁の地である旧小澤家住宅にて展示会を開催させていただくことになりました。

展示物は、おおきくわけて3つ、プラス1です。

その1) 旧小澤家住宅に残っていた白生地

これは、横正機業場で織った駒塩瀬です。
「泉華」(せんか と読みます)と「横正製」の捺印がその証です。
主に染名古屋帯として使う白生地です。状態もよいですね。箱が少し痛んでいました。
現在のものと比べると捺印が異なっていました。

 

こちらは丹後ちりめん。水引がかけられている?
赤い紐でしばることで、紅白なのでしょうか。。

その2) 植物染め浜五の染め品

浜五は、小澤家からの染め依頼を受けて、次のように回答しました。
「残っていた白生地はいずれなくなってしまい、使えなくなってしまう。
それは大切なものとして残し、今回御縁のあった横正さんの生地を使って、継続的に供給できるオリジナルグッズを作りましょう!」と。
そして、「何より旧小澤家住宅のすばらしきお庭の草木を使って、生地に小澤家の想い色を育てましょう!」と。
※今回は残念ながら、冬季のため染料が採取できず、お庭の草木で染めたものはありません。

その話もあり、横正が開発中だった薄く軽い 紗-sha-、絽-ro- の白生地もなんとか形になり、その白生地を染めたストールを発表することにしました。今後はお庭の草木で染めて店内のショップで販売する予定です。
それ以外にも色々な染品が・・・お楽しみに。
間違いなく言えるのは、すべて横正機業場で織った絹100%の織物に、浜五が草木の色を育てたものである、ということです。

その3) 横正機業場の白生地

同業界の人は、白生地見たって、「白だし~~、素材だし~~」ってよく言いますが、
意外と一般の人たちって、白生地を見たり触ったりしたことないんじゃないかな?と思います。
だから、こういうときだから、五泉の潔い白、気品ある白、艶のある白・・なんて表現するのがいいか迷いますが、
五泉伝統の織りの技術を心を感じ取ってほしい、と思っています。

ちなみに五泉の品物で日本一なのは、厚手の羽二重、駒絽 だと思います。(間違っていたらごめんなさい)
中々、「日本一」というものが町にあることが珍しいのに、これがまったく五泉市民にも知られていない事実。。。
斜陽産業はつらいところですね。。これから発信していくべく頑張ります!

・厚手の羽二重は、地しまりがよく表面に凹凸のないきれいな生地。男性の紋付・羽織に使います。

駒絽は、絽目がきれいで清涼感にあふれた生地。フォーマルの紋付にも使われます。

そして、星名さんとの御縁でもあった、新しく開発した白生地。
五泉の「伝統」は厚い生地です。そこに「革新」として薄く軽いものにも挑戦しました。
職人魂に火をつけ、薄く軽いものから、厚く重いものまで縦横無尽に織りなし、お客様の期待に応えられるようにと。
もちろん、「ただ織ってみました」ではなく、そこに市場ニーズがあると判断したからです。

もちろん、長き?に渡り連載していたヒッコリーさんとのコラボの白生地。みれますよ~。
思っていたよりキレイ!と多くの方に言って頂けています。
これは私の写真の撮り方がへたくそ、ということでもあります。。。つらい。雪だるまくんごめんなさい。

最後のプラス1)「白を贈る文化」を現代にアレンジしたらどうなるか?です。

昔はキモノや帯でつかう反物を贈っていました。
最初に書いたように、日用品のようなものだからです。
だから、おそらく白生地だけ(白生地相当の金額)でよかったのです。

今それをしたらどうなるか?
そんなの使わないよ~、染代こっちが払わなきゃなんでしょ!! と。笑
私だって、そんなものもらったら困ります!

たとえば、羽二重の生地頂きました。
さて、どうしよう。
どこに持ち込めばよいかも分からない。
どうやって保管するのかも分からない。そもそもしまう箪笥がない。
仕立てるのにいくらかかるのか分からない。裏地、帯、衿、袴、草履・・・。
今の呉服屋さんは大変良心的だからそんなことないのですが、馴染みのない人からするとそんな感覚なのだと思います。
それでは、白生地を贈る なんてことなくなってきますよね。

では、白生地でも素材が変われば、現代でも生きる道があるのでは?
というのが考えてみたことです。

たとえば、「ストールの白生地を贈る」のです。
ファッションは自分の好みもありますし、季節、着ていく場所、などによって違います。
その日の気分によって変えたいこともある。
多様性、流行にとんだファッションの中では、既製品もいいですが、「自分好みに作る」というのも面白いのではないのか?と思うのです。
たとえば、スーツのオーダーメイド。服地から選びますが色も織も決まっていますよね。
「選ぶ」のですが「作る」とはちょっと違う。

たとえばストールを、
織にこだわり・・・いくつかある白生地から選べたら・・・機屋だからできること
染にこだわり・・・お客様のイメージに近いように染める・・・染屋だからできること
作ることができたら、すごく面白いんじゃないかな~~って思ってます。

今、「体験」っていうことが重要視されていますよね。
馴染みのない、織の種類を知ったり、染めの種類や技法を知ったり、自分の好みをイメージし整理し、伝えること。
出来上がりを待つワクワク感。
届いたときの感動。
もしかするとイメージ通りにならなかった・・という失望も。笑
これらをまとめて、現代にあったエクスペリエンス(体験)だと思っています。

もちろん、色々な個性な染屋さんがいてできることです。
大量生産の既製品に打ち勝つには、個性のつながり、かと。
これが 私たちの考える Shall we senka? なのです。

長くなりましたが、こんなざっくりしたイメージしかありませんが、
いろんな人の考えをお聞きする場にしたい、と考えていますので、気兼ねなく来て頂ければと思います。

なお、期間中に和服(キモノ)で来ていただいた方には入館料が2割引きになります!。
わずかかもしれませんが、旧小澤家住宅の厳かなたたずまいにはキモノが似合います。
是非、キモノでいらして、商屋のたたずまい と共に展示もご覧いただければと思います。

ABOUTこの記事をかいた人

横野弘征

㈱横正機業場(YOKOSHO)専務取締役。新潟県五泉市で絹織物白生地製造を行っています。2013年に36歳でシステムエンジニアから兄と共に家業を継承するため転職。『伝統継承と革新への挑戦』がテーマ。製品(素材)の素晴らしさはもちろん、「100年企業」として培ってきた歴史を支えた職人さんこそが最大の商品として魅力を発信していきます。経済産業省認定 ITストラテジスト取得。