初めてお会いしてから、1週間後のことでした。まさに偶然です!
調べると、白を贈ることで、“相手の色に染まります”という日本人ならではの謙虚な想いを伝えるなど、していたようです。
この美しい慣しを少しでも伝えていきましょう、と星名さんと始めたのが、「白を贈る文化」展でした。
他の白生地産地のものもありました。(福井や丹後など)
展示会をやって色んな方と意見交換をしていくと、「白生地を贈る」という風習は着物を着なくなった現在に残すには無理があるということでした。
どうすればよいか。。。
それなら今も現役の機屋である横正機業場の新しい白生地を使って、新しい白生地を贈るスタイルを確立したらどうか、と星名さんと模索するようになりました。
これが第1段のプロトタイプ。この時は生地を贈ってその生地をもって染屋さんに行く、というスタイルでした。
しかし、こうなると実際染屋さんの周りの方にしか贈り物できないし、広がりを持たせることができない。それならば・・・と、開き直って、染める為の白生地を贈ることにこだわらず、気持ちを伝え、受け取った方が自分色に染めることのできるスタイルを確立しよう、としました。
そしで出来上がったのは、この形。
パンフレットとオーダー用紙が入っているセミオーダー形式のプレゼント。
パンフレットは巻物になっていて白生地で包まれています。
この包んでいる白生地は、実際染める布と同じですが、これを染めるわけではありません。
あくまでパッケージとして白生地の反物に見せるもの。
ポケットチーフ、ハンカチなどご自由にお使いいただけます。
そして、箱の中に注文用紙が入っていて、必要事項と好みの色(染か方)を記入して投函すればよい、というものにしました。
第一弾としては、星名さんではなく、絽紗で一番お付き合いの深い、染色工房いふうの中條先生の染としました。
中條先生の染のすごいのは、とにかく色と色の移り変りがなめらかに切り替わるボカシ染めです。
これを私はまるでオーロラと率直に感じたので、オーロラ染めと名付けました。
通常キモノでは刷毛(はけ)でボカシをしますが、繊細な生地のため、刷毛は用いず、染料に浸す時間でコントロールするスゴ技です。これを自分のオリジナルで作れるなんて、なんて面白いし、絶対喜ばれるんじゃないか!と思ったのがきっかけでした。
素材と染にこだわるまさに絽紗らしい逸品になったと思います。
価格は、贈り物で考えると、やはりキリがよくないとなので、細身のスリムタイプを税込20,000円、羽織ることもできるベーシックサイズを税込30,000円とまずは設定しました。
実際、店頭で染めあがったものは税込19,440円、税込29,160円で販売しています。
箱、システム料、1点からの染、送料、ハンカチとしての包む白生地、ちょっと割りに合わないんじゃないの?と言われましたが、贈り物として考えるなら、贈り物の価格があるわけで、税込でキリのよい金額にしてみました。これで少しでも知って頂ければ御の字です。
白を贈るの今後ですが、色んな染職人の方とタイアップして、バリエーションを展開していきたいですね。
もちろん、星名さんとのバージョンも出す予定です。
星名さんらしく、色を選ぶのではなく、植物を選ぶ。
例えば、4月生まれだから桜がいいな、とかです。ストールにこだわりません。
ベビー向けのブランケットとかいいな、なんて思いもあります。
カタログギフトだと、私もそうですが、何でも選べる自由度がある反面、ちょっと寂しい思いにかられたりもします。
その点「白を贈る」は、相手のことを考えどんな商品がよいかな?と思いを馳せて選び、でも最終的な色合いは贈って頂いた人が選べる、という利点があります。
新しいスタイルの贈り物として受け入れられるとよいなぁ・・。
あと、出来ればこの贈り物。男性にもお使いいただきたいですね!
私が、母親に何かプレゼントしたい、と思った時、自分の親世代は大体なんでも持っているし、親が行かないような雑貨屋さんでプレゼントをかったりしました。でも、自分の年齢もあがってくるとちゃんとしたものをプレゼントしたくなってきて、そうなると、何をあげよう??と迷ってしまいます。
その点、ストールであれば、お洋服にあわせて色いろ使いまわせるので、多くあっても邪魔になりませんし、体系も関係ない。かつ年齢とともに首回りのシワなども気になってくるので、隠すのにもよいし、顔周りが明るくなって若く見える。これはよい!のです。しかも、絽紗は素材がよいので、安っぽくは見えません。良いものにみえます(実際良いものです)笑
ただ、ストールをプレゼントするときの一番の課題は、どんな色が好みなのか・・・、どこで買うのか。
気に入ってもらえなかったらどうしよう。。
あと実際、女性の売場に行って買うのはちょっと恥ずかしい。。などなど。
贈り物にぴったりなのですが、最後のハードルがこせないのです。
百貨店店頭でも時々男性がこられて女性の贈り物を相談するのですが、迷いに迷って、最後一押しふた押しして、オススメするならこれがいいか・・とまだ迷いながらお選び頂く。
実際勧めている方も、あったこともない人に、これが似合いますよ、きっと。。となってしまいます。
これを「白を贈る」では解決してくれるのです。
とにかく、迷わなくてよい!w
そんなわけで、ただ文化を伝える為の「白を贈る」ではなく、男性が女性へストールをプレゼントする!という壁を低くした、といっても良いのではないかと個人的には思っています。
まだまだ、これから宣伝していかなければですが、まずはリリースできたことお知らせします。