令和の大嘗祭で用いられた絹織物である繒服(にぎたえ)を、わたしども横正機業場にて織らせて頂きました。
大嘗祭とは、新たに即位した天皇が、一世一代に限り執り行う行事で、天皇が五穀豊穣や国民の安寧を祈られます。令和の大嘗祭は11月14日夜から15日未明に行われました。
その大嘗祭で(最も)重要とされるものに、神様である天照大神のためのお召し物【神御衣→かむみそ】があります。
神御衣は、
絹の織物 「繒服(にぎたえ)」
麻の織物 「麁服(あらたえ)」
の2つがあり、これらを神様のために供えられます。天皇しか入れない部屋なのでどこにも映像にでてきません。まさに秘事。
古くから
麻の麁服は阿波国(徳島県)から
絹の繒服は三河国(愛知県)から
調進されるようです。
ただ、繒服について残念ながら職人不在になり織りについてはお困りのようで、問屋さんを経由して、私どもに相談がありました。しっかりと目の詰まったその美しい織物は、今となっては新潟県五泉市でしか織れない、との判断だったようです。
よって、私どもで愛知県豊田市稲武町の絹糸を用いて織らせていただき、無事愛知県豊田市稲武町に納めさせていただきました。
毎日新聞にも掲載頂きました。
越後きもの紀行「大嘗祭に五泉の織物」
毎日新聞 2019年11月16(土) 25面
(記者より掲載許可を頂いています)